DALF C1「Synthèse」(サンテーズ)

Synthèse (サンテーズ)とは?DALF C1
Synthèse (サンテーズ)とは?

 

DALF C1 「Synthèse」

私にとって、DALF C1 最大の難関は production écrite でした。

CO、CEを終えて、筆記の残り2時間半で
・Synthèse
・Essai argumenté
の二つを書かなければいけません。

Synthèse(サンテーズ)はフランス語独特の作文方法のこと。
フランス人は中高生からSynthèseに取り組むそうですが、日本人にとっては全然馴染みのない作文の方法なので、要領を覚えないとSynthèseの部門だけで2時間半が終わってしまいます。

私は何度取り組んでもSynthèseが苦手で、最初の頃はさっぱり要領がつかめず、1週間経っても課題が終わらないなんてことも多々ありました。

DALF C1の勉強を始めてから2年半の間で約10人の先生からSynthèseについて学びました。
「僕はこれでずっとやってきたけど、きっともっといいやり方はあると思う」と言われたこともあるように、Synthèseの方法は十人十色でした。

なので、様々な方法の中で、自分が一番やりやすい方法を見つけ出すのも至難の業でした。
このまま一生Synthèseをこなせないまま、C1合格もできないのでは…と思ったほどです。

でも4回目受験の数ヶ月前、とあるオンライン授業で教わったSynthèseの方法で道が拓けた気がしました。

前置きが長くなりましたが、こちらの記事では私なりのSynthèse攻略法についてまとめます。

 

「Synthèse」(サンテーズ)とは?

ではそもそも Synthèse とはなにか見ていきましょう。

Synthèse (サンテーズ)とは?

Synthèse (サンテーズ)とは?

Deux documents sont au moins nécessaires pour composer une synthèse.
Le résultat, la synthèse, est un document plus court et qui contient l’ensembles des informations essentielles reformulées des deux documents et réorganisées.

日本で長年DELF/DALFの試験管を務める先生のアンスティチュ・フランセ・東京の講座で、一からSynthèseについて学びました。

2つ以上の文書から 必要な情報を再構成より短い文書にしたもの
とだけ聞くと簡単なように思いますが…

« Réorganisées » cela signifie que la synthèse ne propose pas une structure dans laquelle la première partie présenterait les informations essentielles du premier document et la seconde, celles du second document.

これはsynthèseではない!

2つの文書をただ並べただけのものはsynthèseではありません

1つ目の文書に2つ目の文書をただ繋げただけでは、Synthèseとして成立しません。
また、Synthèse は Résumé(要約)とも違います。

サンテーズの手順は、以下の通りです。

サンテーズの手順

  1. 2つ(以上)の文書の 共通のテーマ を見つける
  2. 2つの文書から キーワード を拾う
  3. イントロ、本文、まとめ 各部分にあたる文章を見つける
  4. 文章の言い回しを置換し、縮約する
    (ただし文書と同じような言葉・フレーズを使用するのはNG)
  5. それぞれを組み合わせて220語(*)で 統合 する
    * 単語の数はDALF C1の場合

⚠️ サンテーズでやってはいけないこと ⚠️

  • 自分の主観を述べること
    文書にない事柄は記載しないこと。主語で jeやnousは利用した、主観的な文章は書かないこと。
  • 文書をそのままコピペ
    上記4. の手順で必ず置き換えすること。
  • 2つ(以上)の文書の構成を変えない
    上記のように、文書1に文書2をくっつけるのはサンテーズとして成立しません。
    必ず「再構成」すること。
  • 指定された文字数から逸脱する
    指定された文字数が220語だったら、±10%(198語〜242語)までは許容範囲。

…など、ルールがとても多いです。
では手順をひとつひとつみていきましょう。

1. 2つ(以上)の文書の 共通のテーマ を見つける

テーマを見つけるのはこの手順の中では比較的容易かと思います。
例えば、過去には以下のようなテーマがありました。
(CO、CE、POに出たテーマがPEに出たり、DELF B2やDALF C2で過去扱われたテーマがC1に出題されることもあります)

  • L’école / L’éducation
    l’école à la maison(家庭教育)
    l’évaluation des professeurs(教員評価)
    la réforme des rythmes scolaires(授業時間改革)
    la classe inversée(反転授業)
    la mixité à l’école(共学)
    l’uniforme(制服)
  • La consommation
    le véganisme(ヴィーガニズム)
    le gaspillage alimentaire(食品ロス)
    le commerce équitable(公正取引)
    le bio
  • La famille
    le congé paternité(育休)
    la génération « boomerang »(ブーメラン世代)
    l’entraide familiale(家族相互扶助)
    la natalité(出生率)
    les écarts de génération(世代間ギャップ)
  • La société
    les générations XYZ(XYZ世代)
    le changement de prénom(名前を変えること)
    le féminisme(フェミニズム)
    la langue française face aux anglicismes(英語化)
    l’exode rural(過疎)
    l’altruisme(利他主義)
  • L’urbanisme
    l’urbanisme éthique(倫理的都市計画)
    les potagers collectifs urbains(共同菜園)
    les nouveaux modes de transport(新しい交通手段)
  • L’environnement
    le changement climatique
    la pollution des plastiques(プラスチック汚染)
    la biodiversité(生物多様性)
    l’agriculture biologique(有機農業)

・・・などなど。
アンスティチュ・フランセで受講した「EDITO C1」は、さまざまなテーマについて学べたのでとてもおもしろかったです。

 

2. 2つの文書から キーワード を拾う

例えば、「famille」がテーマであったのなら
la famille adoptive / d’accueil / monoparentale…
le droit d’enfant / de garde partagé …
la filiation biologique / sociale …
など、以降のステップで使うために欠かせないキーワードにマーカーしていきます。

3. イントロ、本文、まとめ 各部分にあたる文章を見つける

私が数ヶ月前まで膨大な時間を要していたのが、ここの部分。
つまりは、文章の構成を組み立てる部分です。

あるオンライン授業で、
「文書を読みながら、この表に書き込んで行けば簡単だよ」
と教えていただきました。

段落内容
IntroductionPoser le sujet
Statistiques
Accroche (mots percutants)
Qui ?/Quand ?/Comment ? (actualité)
そのテーマについての説明
統計・数値
キャッチフレーズ
誰が?いつ?どのように?
1er paragrapheApprofondissement du sujetテーマについてさらに掘り下げる
(実例など)
2ème paragrapheCauses/conséquences Avantages/désavantages Mesures/contre-mesures理由・結果
メリット・デメリット
措置・対策
ConclusionBilan
Avenir
まとめ
展望

この表に出会うまでは、もっと複雑に考えていました。
読み進めながら「文書①の1個目の段落は、文書②の3個目の段落と内容一緒だから、えーっと…」
というような感じで、構成を組み立てるのに時間を要してしまうわけです。

でも文書を読み進めると同時に、「この段落は、Conclusiton!」という具合に表を埋めていくだけで、この工程に要する時間が格段に短くなりました。

4. 文章の言い回しを置換し、縮約する

これは3と同時に行うとさらに時間が短縮できるのですが、下書きしていると本番の用紙に写す時間がないので、3で構成が決まったら、もう直接本番の用紙に直接書いていきます。

文章を、まったく同じ意味を持つ文章に言い換えて、文字数を短くする、という作業です。
例えば「Les parents imparfaits font des enfants heureux」この記事の中の、次の部分を言い換えてみます。

Nous voici poussés à devenir des parents parfaits ! Et plus on cherche à bien faire, plus on se perd. Le vrai conseil à suivre serait donc celui-là : n’écoutez aucun conseil et laissez faire votre instinct.

こちらを置換&縮尺すると−−−

Les parents sont enclin à la perfection et s’en trouvent désorientés. Dans cette situation, il vaut mieux suivre ses intuitions.

という感じで、まったく同じ内容で、文字数を減らすことに成功しています。

5. それぞれを組み合わせて220語で 統合 する

私の作戦は、4の手順ですでに本番の用紙に書き込んでいるので、最後に文字数を数えて調整します。
そして客観的に自分で書いた文章を読んでみます。

なんかおかしい…と思うことがあったら、難解な書き方はやめて、確実に間違っていない易しい書き方に直します。


 

ここまでがサンテーズの概要です。

安心してください。
私も最初は何を言っているのか、何から取り掛かればいいのか、さっぱりわかりませんでした。
そしてこの記事を書いている今でも、よくわからないところもあります。。

次の記事では、サンテーズを実践してみます。

À bientôt !!

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