前回の記事では完成したサンテーズをご紹介しました。
今回は、「サンテーズの手順」に沿って説明していきます。
サンテーズの手順
- 2つ(以上)の文書の 共通のテーマ を見つける
- 2つの文書から キーワード を拾う
- イントロ、本文、まとめ 各部分にあたる文章を見つける
- 文章の言い回しを置換し、縮約する
(ただし文書と同じような言葉・フレーズを使用するのはNG) - それぞれを組み合わせて220語(*)で 統合 する
* 単語の数はDALF C1の場合
1. 2つ(以上)の文書の 共通のテーマ を見つける
まず、2つの文書の「titre (タイトル)」「intertitre (見出し)」、最初の一文 か「chapeau(リード)」から共通のテーマを見つけていきます。
Document 1のタイトル
« Avec le Covid, la maîtrise du numérique est devenue vitale »
Document 2のタイトル
Illectronisme : « La fracture numérique est très grave ! »
→1のタイトルだけ見て Covid か la maîtrise du numérique (デジタルリテラシー)のどちらかか判断し、2のタイトルで共通するものを見つけ出します。
Illectronisme はわからない単語です。
次に読み進めて La fracture numérique(情報格差)が出てくるので、「illettrisme(非識字)」と「電気の,電気による」を意味する「électr(o)- 」、人を意味する「-nisme」を組み合わせた造語かな、と推測 します。
実際に仏仏辞書で検索すると次のように出てきましたので、推測通りでした
illectronisme [ilɛktʀɔnism] nom masculin
■ didact. État d’une personne qui ne maîtrise pas l’usage des ressources électroniques.
なのでテーマとしては「La fracture numérique」かな!と、ざっくり感覚で推測します。
2. 2つの文書から キーワード を拾う
テーマをざっくり推測したら、そのテーマに関連するキーワードにマーカーしていきます。
そのキーワードがポジティブなことを示しているのか?もしくはネガティブ?分析的?など考えながらマーカー。この時点では精読していません。
だいたいそのパラグラフにどんなことが書かれているのかを、ざっくり把握する感じです。
- l’accès à Internet
- faute d’équipement
- illectronisme
- les compétences essentielles du numérique
- démunies au numérique
- La dématérialisation
- un manque d’appropriation du numérique
などなど…
ここまでの過程で大事なのは、「ざっくり」。
短時間で概要をつかむことが重要です。
3. イントロ、本文、まとめ 各部分にあたる文章を見つける
こちらの表の登場です。「段落」と「内容」だけは5億回頭に叩き込んで記憶しておきます。
例えばDocument 1の最初のパラグラフで言いますと
Selon l’Insee (octobre 2019) , 24 % des Français sont incapables de trouver la moindre information sur internet, 8 millions, soit 12 % de la population, n’ont aucun accès au réseau faute d’équipement, et 17 % souffriraient d’illectronisme, c’est-à-dire qu’ils ne maîtrisent pas les compétences essentielles du numérique.
パッと見て数字の羅列、というより「Selon l’Insee」(L’Institut National de la Statistique et des Études Économiques:フランス国立統計経済研究所)って言っちゃってます。サービスパラグラフ!
→ Introductionの「Statistique」にあたります。
なので、表に1-1(Document 1の 一番目のパラグラフ)って書き込んでいきます。
段落 | 内容 | 文書 |
Introduction | Poser le sujet Statistiques Accroche (mots percutants) Qui ?/Quand ?/Comment ? (actualité) | Doc1-1 |
1er paragraphe | Approfondissement du sujet | |
2ème paragraphe | Causes/conséquences Avantages/désavantages Mesures/contre-mesures | |
Conclusion | Bilan Avenir |
と、この作業の繰り返しです。
とにかく読み進めると同時にこの表を埋めていくのです。
最後まで読んだら、うまい具合に、Document 1とDocument 2を混ぜ合わせるようにしながら構成を組み立てます。
4. 文章の言い回しを置換し、縮約する
研究結果で数字が多い文章なのですが、最初「8 millions」って書いたら先生に「beaucoup」に直されました。数字をそのまま書くよりは「beaucoup」「la majorité de」などのほうが好まれるみたいです。(この先生の場合。他の講師の解答例では普通に数字をそのまま使っていたりします)
「Selon l’Insee」は「D’après un sondage」とするなど、固有名詞も避けたほうがいいみたいです。
というように言い換えをしていきます。
ここのフェーズ、試験の時は時間がないので直接本番の回答用紙に書き込んでいったのですが、練習の時点では丁寧に時間をかけてやったほうがいいと思います。
5. それぞれを組み合わせて220語で 統合 する
最後に読み直し、おかしいところがあれば修正しておしまいです。
試験中はなぜか(火事場のなんちゃらってやつでしょうか)1時間半以内でここまでの工程が終えられたのですが、今でもこのサンテーズを1時間半で終えることはできません。。
でもそれって圧倒的に読解力も文章力も足りていない証拠。頑張ります。
さて、こちらで一度サンテーズの章はおしまいです。
感想などコメントいただけますとうれしいです。
ではまた次回。
À bientôt !!
コメント
こんにちは。昨日DELF B2の試験を受けてきたばかりの者です。まだまだ先ですが、ゆくゆくはC1にも挑戦したいと思って情報収集しておりましたところ、こちらの記事に出会いました。詳細に実例を交えて解説していらっしゃるので、大変興味深く読ませていただきました。今後の励みになります。ありがとうございます。